スポーツの採点競技に見る評価は評価する側の評価基準の統一が大切

スポーツに見る勝敗の決め方の違い

今月の20日に閉幕した冬季北京オリンピックで、様々な冬のスポーツをテレビで観戦しました。

スポーツの勝敗の決め方には、スピードスケートやスキージャンプのように速さや距離で決まるものと

スノーボードハーフパイプや、フィギュアスケートのように採点で決まるものがありますね。

速さや距離を競うものは、勝敗が明確で客観的に見てもわかりやすいですね。

ですが、採点競技となると、採点する側の主観や感情が入るので、時には釈然としない結果になることもあります。

スノーボードハーフパイプで平野歩夢選手が見事金メダルを取りましたね!

3回目でトップに立ったからよかったものの、もし、3回目で転倒していたらと思うと…。

それは、2回目の時に、世界最高難度のルーティンを成功させたにもかかわらず、その時点の結果は2位だったのです。

その場にいた人からもすごいブーイングが起こるなど不可解な点数のつけ方でした。

とはいえ、その点数は覆ることはありません。

3回目に同じルーティンを行い、完成度を高め、見事逆転で金メダルとなりました。

とはいえ、2回目と3回目に点数のさほど違いがあるようには見えませんでした。(あくまで素人目線ですが…)

また、フィギュアスケートは、技術点と演技構成点の合計点で競います。

技術点は飛んだジャンプの難易度などで点数が決まっています。出来栄え点というもので多少加点、減点があるとはいえ、点数のつけ方は比較的明確です。

しかし、演技構成点というものの評価項目の中には、「音楽の解釈」という項目があります。

評価内容は「音楽を理解し、それに合った動き・表現がされているか。音楽の性質と感情の表現ができているか。」となっています。

解釈って人それぞれだと思うのです。

それを、音楽を理解できているか、とか、音楽の性質と感情の表現かっていったいどうやって評価するのかと思います。

人事評価も評価する人で結果が違う

これは、企業で用いる人事制度の評価制度にも同じことが言えますね。

「定量評価」は「数値で表せるものに対する評価」のことを言います。

先ほどの競技でいうと、速さや距離に応じて評価するものです。

これは、獲得件数とか、目標達成率とか、売上高とか数字で表されるものは、評価基準はわかりやすいですね。

これとは違い、「定性評価」は数字表されないものです。

「業務に積極的に取り組んでいる」とか「同僚と協力して業務にあたっている」行動特性に関する評価です。

例えば、同じ行動に対する評価でも、評価する側が積極的な人なのか、積極的ではない人かによって見え方は変わってきます。

3段階や5段階で評価するのか一般的ですが、

5評価(よくできている)とはこういう場合

1評価(出来ていない)とはこういう場合と事例を設けて、認識合わせをしておくといいですね。

また、同じ人を複数人で評価して、異なった評価が出れば、その違いをそれぞれ理由を説明して、最終的な評価を決定するといった方法もあります。

スノーボードのハーフパイプも6人がジャッジし、最高得点と最低点を削除して4名の合計点を4で割って点数を決定しています。

出来るだけブレ幅を少なくするような仕組みになっています。

まとめ

人事制度の評価は、その結果が従業員の昇進や評価につながりますので、ばらつきが出たり、親しい部下には評価が甘かったり、あまり合わない部下には厳しく評価したりすると、従業員から不満が出たり、モチベーションが下がったりといったことに繋がります。

また、人事制度の導入は、導入した企業の目的があるはずです。

適正に評価がなされないと、導入した目的も達成できません。

評価が適正に行われるためには、評価者研修を行うなど、評価基準を可能な限り評価者による評価結果に違いを少なくし、企業目的を達成するように運用していくことが大切です。