人を大事にしているって本当?
「うちの会社は人を大事にしています!」
「企業は人で成り立っている!」
と声高らかに言っている社長さんいますよね。
でも、会社の予算を見ると、ほとんど人材育成に関する予算が無かったりします。
それって、本当に人を大事にしているの?って思います。
経営資源には「人」「物」「金」「情報」があります。
新たな機械を買ったり、機械が古くなったので最新のものと入れ替え用とか、比較的「物」への投資をしている企業はありますが、なぜ「人」への投資はしないのかな…と思うことがあります。
もちろん、業務効率化するために機器の導入が必要なこともわかります。
でも、人材育成のために、研修に時間を割いていなかったり、研修実施に関する費用使っていない、って、「人」の育成より「物」のほうが大事であることを、社内にも表明していることになります。
人への投資の重要性を提言
経済財政諮問会議で「所得・人的資本の強化に向けて」という提言をまとめました。
その中に、一人ひとりの付加価値を高めるような「人への投資」の拡大も政策の柱とすべきとしています。
AIなどにより、自動化されるものが増えてくるとはいえ、すべてが自動化されるわけではありません。
自動化される「物」を使うのも人ですし、情報を収集してどのように活用するかもやはり「人」なのです。
単純化されないものや、臨機応変な対応が求められるものについては、ますます人の能力の違いや、質も向上といったものが求められるでしょう。
そうなると、以下に優秀な人材を育てていくかということの重要性はこれから高まります。
採用時に何を大事にするかを見極めることが大事
採用後の人材育成も大切ですが、人って育成で変わる部分と、どんなに育成しても変わらない部分があることを認識することが必要です。
従業員同士の協調性を大事にしている企業に、自分中心で他者を思いやる気持ちがない人が入社してきたら、職場はもうぐっちゃぐちゃになってしまいます。
そういった性格や個性は、一朝一夕に変わるものではありません。
従業員に何を求めるのか、どんな人に入社してきてほしいのかを、明確にして、採用基準の優先順位を決めることが重要になってきます。
そして、もう一つ重要なのが、誰が面接するかです。
もちろん、社長が面接するのが望ましいのですが、もしそうでない場合、その面接する人が採用基準は何か、自社で働くにあたって従業員に求めることは何なのか、といったことをしっかり理解して、それを見極める能力が必要です。
つまり、だれが面接をするかということは、採用活動においては大事です。
「採用担当は会社のエース社員を担当にすべし!」で解説していますが、誰を採用の担当にしているかも、その企業が人をどれだけ大事に考えているかがわかります。
企業は、事業を行うにあたって、利益を上げることは当然に必要です。
経営状況が赤字では、そもそも事業を継続していくことは出来ません。
その為、営業部署であったり、売り上げや利益に直結する部署に優秀な社員を配置したいと考えるのもよくわかります。
ですが、その営業においても人が対応するわけです。
ですから、優秀な人材を採用し、最後に人材をいかに育て、活躍してもらうかといった役割を担う、採用や人材育成を担当する部署も重要な部署なのです。
このような考え方が出来るかどうかが、「人」を大事にする企業になれるかどうかの分かれ道ではないでしょうか。
これからは、企業が人を選ぶのではなく、人が企業を選ぶ時代になります。
人が企業を選ぶ、求職中に仕事を選ぶときに、必ずしも給与だけで選んではおらず、それ以外の働きがいであったり、やりがいで選ぶ人も多いようです。
そういった、給与以外の内的報酬を以下に満足させることができるかも、これからの課題になるのではないでしょうか。
その重要性を、いち早くわかって取り組む企業において、人が成長し、そして企業が成長する大事な考え方になると思います。