創業時は目の前のやることに精いっぱいで大切なことを忘れていませんか?
創業時は、従業員を雇ったり、会社の備品を準備したり、名刺を作ったり、ホームページ作ったり、営業に行ったりと目が回るほどの忙しさですよね。
そんなに忙しいわけだから、雇用した従業員が2.3人だったら、就業規則の作成義務もないし、自分の目も届くから、ということで就業規則も作っていないところが多いですよね。
でも!私は、「最初が肝心!」って思っています。
最初にどんな職場を作りたいのか、理想の従業員はどのような従業員か、といったことを最初にしっかりと決めておかないと、一旦形が出来てしまってからでは、なかなかそこから変えようと思っても困難です。
何を大事にするかを最初に決めることが重要
ナレッジワークのCEO麻野 耕司氏がリンクアンドモチベーションを退職して、今の会社を立ち上げたときこんなことを言われていました。
「やらないことを決める」ということでした。
何をやらないかというと「陰口を言わない」と。
人って、自分が陰口を言っている認識はないもの。だからこそ、最初にきちんと定義することが大事と言われていました。
では、この定義は何かっていうと「その人のいないところで、その人に言えないことを言わない」でした。
組織を作る上で、悪口や陰口を言わないということは、組織文化を作る上では、とても大切なことです。
陰口や悪口を言う組織では、良い成果も出ません。
私が以前勤務していた病院では、言いづらいことでも本人のためと思えば直接言う、という文化がありました。
ですから、時には厳しいことを面と向かって言われることがありました。
しかし、陰でいろいろ言われるよりも、ずっと組織に対する信頼感や安心感はありました。
こういった、信念を創業者が持ち、実行するということは組織作りには必要なことなのです。
最初に働く上で大事にしたいことのを決めよう!
就業規則というのは、労働基準法で常時雇用する従業員が10人以上であれば作成と届出義務があります。
10人未満であれば、作成しなくてもよいということになります。
でも、就業規則というのは作成義務があるから作る、作成義務がないから作らない、というものではないと思います。
従業員にとっては、どんなことを守って働けばいいのか、どんなこと大事にして働けばいいのか、といった羅針盤になるもの就業規則です。
また、就業規則のもう一つの大切な役割として考えられるのが、経営理念の共有です。
これまで就業規則に、経営理念やミッション・ビジョン・バリューといったものを記載する企業はあまりありませんでした。
ですが、この就業規則に創業時の想いや、社長の経営するにあたって将来どんなことを達成したいのか、社会にどんな貢献をしたいのか、といった想いを書き、伝えることは大切です。
東京商工会議所が実施した「2030年代に向けた企業と東京の成長に関する調査」によると、
経営理念などを明文化していない企業のうち、人材育成・採用に注力した:24.6%
経営理念などを明文化している企業のうち、人材育成・採用に注力した:39.7%
となっており、経営理念の作成が人材育成にも影響していることがわかります。
何を大事にし、どこに向かえばいいのかがわかれば、従業員も安心して働くことが出来ます。
企業が成長していく上では人の成長は不可欠です。
その人が集まってできる組織を、どういう組織にするか、どのような企業文化を作るかは、創業者が最初にどんなメッセージを伝え、実行していくかにより形成されます。
私が以前勤務していた病院では、病院のトップがとにかく患者様を大切にする、という強い信念のもとスタートされました。
最初に、トップが強いメッセージを発信して、それが従業員一人一人に浸透し、そして企業の文化となり、根付いていけば企業文化は揺らぐことはありません。
そして、あとから入ってきた人も、自然とその文化になじんでいきます。
何度も言いますが、最初が肝心です。
一度出来上がった悪い文化を、良い文化に変えるには何倍ものエネルギーがかかります。
最初に、経営理念を明確にし、信念をもって、それを従業員に伝えて、実行していきましょう。