応募が殺到する保育園があった!
先日、プレジデントオンラインの『人手不足の業界に激震…「倍率13倍」転職希望者が殺到する保育園の驚きの採用手法』という記事で、保育園を6園経営している社会福祉法人がなんと「採用倍率は新卒7.4倍、中途13倍と応募が殺到した。」そうです。
保育業界の有効求人倍率は、令和4年7月で3.23倍で、全職種1.63倍のおよそ2倍になります。そんな中、こんな倍率とは驚きですね!
ご存じのように医療福祉保育系は採用が厳しい業界です。
一体どのような採用手法をされたのでしょうか?とても興味深いですね。。
その記事の中に「休憩がなかなか取れないことは常態化」とありました。こういったことが保育士として勤務することを敬遠する人が多い大きな原因かもしれません。
私も、短大を卒業後、幼稚園に勤務していました。
確かに、お昼ゆっくり休憩をとる、っていうことはありませんでしたね。
園児と一緒に給食を食べて、その間も食事をこぼしてしまったり、などなどいろんなことがありますので、ゆっくりランチをするという世界からは程遠く。給食が済めば、園児と外遊びをしたり、保護者の方へのお便り帳を書いたり、そんなこんなで園児が帰る時間になり、送迎バスに乗って送り届けたり、お迎えにいらっしゃる保護者の対応をしたり、であっという間に夕方近くになる。その頃の時間にちょっと一息ついても、またすぐに教室の壁の飾りつけをしたり、翌日以降の準備をしたり…。
そういえば、ゆっくり休憩取ったことなかったなあ、って当時を振り返ったりしました。(懐かしい~)
その当時はそんな毎日がしんどいなあ…って思ったことはあっても、あまり不満に感じたことはありませんでした。
つまり「当たり前」に感じていたわけです。
当たり前を打破しよう!
でも、この当たり前が厄介かもしれません。
私、美容室に行って思うのが、美容師さん休憩ってちゃんととれているのかなあ、昼食ってとっているのかなあ、と。
おそらく、お客様のことを思ってのことでしょうが、ちゃんととれることはあまりないらしいです。
私の職業柄かもしれませんが、やっぱり休憩はちゃんと取ってもらいたい、と思いますよね。
休憩時間をちゃんと取ってもらう、そのために予約時間を調整しても何ら問題はないと思うのですが、皆さんはどう思いますか?
休憩時間をちゃんと確保して、その範囲で、予約も入れていけば何ら問題ないと思うんのですが…。
お客様へのサービスを思ってのことかもしれませんが、そこで働く人を第一に考えることは経営者としてとても大切なことです。
以前、勤務していた病院では経営者の方がよく仰っていました。
「直接患者様に接し、患者様の対応をしてくれるのは職員のみんなだ。だから、私は職員の皆さんを大事にする」と。
正にその通りだと思うのです。
お客様を大事にすることは、そこで働く人を大事にすること。
働く人がイキイキと働き、その仕事に満足し、働きがいを感じてこそ、お客様に満足して頂けるサービスやモノを提供できるのです。
この保育園の経営者の方が行ったこと
保育園には人員基準というものがあります。
この保育園は、まず国の人員基準の1.5倍にしたそうです。
人を増やしたことで、休憩も60分ちゃんと取れるようになり、残業もなし、有給休暇も取れるようになったとのこと。
休憩室はカフェ風にされています。なんともステキ☆です。
国の人員基準というのは、必要人員をギリギリで設定されているようなところがあり、それでは働く側にとっては「ゆとり」はありません。
この保育園では、さらに2年前には国の基準の2倍にされたとか。
また、働きやすさだけだけでなく給与も業界内では高いようです。
「うちの月給は大卒で24万9000円、短大卒で24万2000円。これに東京都から8万2000円の家賃補助が出ます。またボーナスも年3カ月分。年度末にも業績によって別途ボーナスが出ることがありますし、定昇として毎年何千円かずつ上がっていきます。決して高い金額ではありませんが、一般企業に比べて安いこともないのではないでしょうか。
とのこと。
給与は、業種間である程度の差はありますが、大事なのは同じ業種の中で比べたときに「高い」ということがポイントです。
先ほどの私が勤務していた病院の経営者の方も「他の病院と比べてうちの給与は高いようにしたい」と仰っていて、地元の病院の中では高かったように思います。
人件費はどうしているの?
皆さん、このあたりで疑問に思っていませんか?
国の基準の2倍の人員ということは、それだけ人件費もかかっているということです。
この保育園ではどうされているのでしょうか?
・事務作業にかかっていたコストをICT化で圧縮し、その分を人件費に回したり、
・東京都のキャリアアップ補助や杉並区の採用加算など、自治体が用意している補助金をしっかりと請求したり
・プラスアルファで事業をやったり
されているようです。
要は、工夫次第でどうにかなるということです。
経営者が覚悟を持つことが大事!
大事なことは、経営者が覚悟を持つことだと思います。あれやこれやと言い訳ばかりせずに、打ち手を打つことです。
採用は、これからますます厳しくなります。
コロナで採用を控えていた企業も採用をし始め、コロナ前の状況に戻りつつあります。
また、フルリモートを始める大企業も出てきました。
そうすると、地方にいても大企業で働く、ということが出来てしまいます。
大企業が地方にもどんどん手を伸ばしてきています、地元の中小企業もこれからは有名大企業も採用のライバルになってくるのです。
いよいよ本気で考えないと採用は厳しくなるばかりです。
採用は「経営者が本気になる!」ことが最も大事です。
現状を直視し、改革・改善できるところから本気で取り組んでみましょう!
きっと方法があるはずです。