賞与も社会保険料はかかるの?賞与を支払ったときの社会保険料計算方法を解説

賞与に社会保険料はかかるのか?

賞与には社会保険料がかからないと思っている人がいますが、実は賞与にも社会保険料はかかるんです。

今のような社会保険料の計算になったのは、2003年3月からです。

それまでは、賞与には社会保険料がかかっていませんでした。ですから、今でも社会保険料はかからないと思っている人がいらっしゃいますが、社会保険料はかかります。

では、どのように計算するのかを解説していきます。

賞与の社会保険料の計算方法

賞与の計算方法は、実際に支払われた金額の1,000円未満を切り捨てます。この金額を「標準賞与額」といいます。

この「標準賞与額」に健康保険・厚生年金保険の保険料率をかけて計算します。

保険料は、事業主と被保険者が折半で負担します。

では、事例をもとに実際に計算してみましょう。

健康保険料の計算

事例1 35歳のAさんの場合

熊本県で勤務しているAさん(35歳)に賞与が256,600円支給されました。

※社会保険料率は令和3年3月分(4月納付分)の熊本県の料率を使用しています。

1,000円未満は切り捨てます。標準賞与額は256,000円です。

256,000円(標準賞与額)×10.29%(健康保険料率)=26,342.4円

保険料は事業主と被保険者と折半です。

26342.4円÷2=13,171.2円

端数処理の方法は?

被保険者負担分(表の折半額の欄)に円未満の端数がある場合
事業主が、給与から被保険者負担分を控除する場合、被保険者負担分の端数が50船以下の場合は切り捨て、50銭を超える場合は切り上げて1円となります。

となっています。

端数は20銭ですので、この場合は切り捨てます。

Aさんから控除する厚生年金保険料は13,171円になります。

事例2 45歳Bさんの場合

熊本県で勤務するBさんに354,800円の賞与が支給されました。

1,000円未満は切り捨てます。標準賞与額は354,000円です。

※Bさんは45歳で介護保険第2号被保険者になりますので、保険料率はAさんとは違って介護保険料がかかっていますので料率も大きくなります。

354,000円(標準賞与額)×12.09%(健康保険料率)=42,798.6円

保険料は事業主と被保険者と折半です。

42,798.6円÷2=21,399.3円

この場合も端数は30銭ですので、切り捨てます。

Bさんから控除する健康保険料は21,339円になります。

厚生年金保険料の計算

事例3 35歳Aさんの場合

先ほどのAさんの厚生年金保険料の計算です。

256,000円(標準賞与額)×18.3%(厚生年金保険料率)=46,848円

保険料は事業主と被保険者と折半です。

46,848円÷2=23,424円

Aさんから控除する厚生年金保険料は21,339円になります。

事例4 45歳Bさんの場合

先ほどのBさんの厚生年金保険料の計算です。

354,000円(標準賞与額)×18.3%(厚生年金保険料率)=64,782円

保険料は事業主と被保険者と折半です。

64,782円÷2=32,391円

Bさんから控除する厚生年金保険料は21,339円になります。

賞与の計算で注意すること3つ

計算の仕方は理解できましたか?

賞与の社会保険料の計算をご理解いただいたところで、注意が必要なことを解説します。

標準賞与額には上限額がある

標準賞与額には上限額が決まっています。

健康保険は年度の累計額573万円厚生年金保険は1ヶ月あたり150万円が上限となっています。

上限額以上の賞与には社会保険料はかかりません。

例えば、1回目賞与300万円、2回目273万円、3回目100万円の支給があったとします。

健康保険料の場合

1回目賞与300万円+2回目273万円=573万円になります。

年度の累計が573万円が上限になっていますので、3回目100万円には健康保険料はかかりません。

厚生年金保険料の場合

1ヶ月の上限が150万円です。

1回目は300万円ですので、150万円に厚生年金保険料をかけて計算します。

2回目は273万円ですので、こちらも150万円に厚生年金保険料をかけて計算します。

3回目は100万円で150万円に満たないので、100万円に厚生年金保険料をかけて計算します。

賞与とみなされるのは3回まで

そもそも賞与とはどういったものでしょうか?

被保険者が労働の対償として受けるもののうち年3回以下の支給のものをいいます。なお、年4回以上支給されるものは、標準報酬月額の対象となります。

となっています。

ですから、賞与とみなされるのは3回までです。

もし、4回支給したら、それは賞与とはみなされず報酬となってしまいます。

4回支給した合計額を12分割して、毎月の給与に加算された金額が標準月額報酬となります。

何回でも支給して賞与とみなすことが出来たら、そもそも毎月の給与との違いがわからなくなってしまいますね。

賞与の「賞与支払届」

賞与を支給したら、支給日より5日以内に「被保険者賞与支払届」により支給額等を届出します。

これによって、年金額に反映されることになります。

届け出先は、事業所所在地を管轄する事務センターです。

注意!

事業を立ち上げたときは、社会保険の新規適用届を提出していて、その時に賞与支払予定月を記載していた場合、それが日本年金機構に登録されています。

例えば、7月と12月に支給予定と届け出ていて、毎年7月と12月に支給していました。

業績が悪く、今年の7月に支給しなかった場合は、「賞与不支給報告書」を提出します。

支給しなかったから届けなくていいと思って、そのままにしておくと日本年金機構から賞与支払いの届け出がされていませんよ、といった通知書が届きます。

もし、うっかり忘れていて通知書が届いたら、速やかに「賞与不支給報告書」を提出しましょう。

まとめ

賞与の社会保険料の計算については、ご理解いただけましたでしょうか?

いつもの給与の社会保険料の計算方法とは少し違います。

計算方法をしっかり理解して間違いないように計算しましょう。