1on1で上司と部下のコミュニケーションを円滑にする進め方のコツ

近年、中小企業、ベンチャーに至るまで多くの企業で導入が増えてきた「1on1」という制度。「1on1」とは上司と部下が1対1で定期的に話し合う機会のことです。

上司と部下が1対1で行う面談が、コミュニケーションを円滑にし、部下のモチベーション向上やストレス軽減につながることが知られています。しかし、1on1を導入しても、効果を得るためには正しい進め方が必要です。この記事では、1on1のメリットや効果的な進め方について詳しく解説します。

 

1on1

1on1のメリット

1on1のメリットは、上司と部下のコミュニケーションが円滑になることです。部下は自分の意見や悩みを直接上司に伝えることができ、上司も部下の声を聞くことができます。このように、1on1は双方向のコミュニケーションを促進することができます。

また、1on1は部下のモチベーション向上にもつながります。部下は自分の業務に対するフィードバックやアドバイスを受けることができ、自己成長やスキルアップにつながるためです。

さらに、1on1は部下のストレスを軽減することができます。部下が上司に相談できる場があることで、業務上の問題や人間関係のトラブルなどに対処しやすくなります。

ですが、最近聞かれるようになった1on1疲れ問題です。

日本中で起こっている1on1疲れ問題

上司
1on1を実施しているつもり…になっている
(話す話題がなく、盛り上がらず、上司がひたすらミスを責めたり、 やる気がないと怒ったり)
部下
上司にひたすら詰められただけ
(できれば1on1やりたくない)
上司
頻度も内容もきちんとコーチング的に1on1を実施しているつもり
(悪意はゼロ)
部下
「将来やりたいことは何か」とか「何か困っていることはないか?」
ばかり聞かれて辛い・・(できれば1on1やりたくない)

こうならないための、1on1を効果的に進めるためのポイントを解説します。

1on1の効果的な進め方

1on1を実施するにあたっては、ポイントは次の4つです。

①上司は最重要タスクと認識する

できれば、最低でも月に1回30分から60分実施しましょう。可能なら、1週間または2週間に1回30分でもできれば、更に効果的です。
また、1on1は上司と部下の時間の大切なコミュニケーションの場です。遅刻や急な中止(余程の緊急なことが無い回切り)はしないようにしましょう。1on1は、社員の定着、成長に驚くほど大きく影響します。ですから、忙しくてもやる!最重要タスク!という上司側の意識変革が必要になってきます。

②アジェンダを用意する

1on1では、共通テーマから、今日、「部下が話したい、聞きたいテーマ」「上司が部下に聞きたい、伝えたいテーマ」を事前にメール等で確認しておきましょう。資料などは不要です。事前にアジェンダを用意しておくことで、会話の進め方がスムーズになります。

【共通テーマ】
業務に関する現在のこと:業務遂行、方針・目標、チーム運営
業務に関する未来のこと:改善活動、新しい取り組み、中長期の戦略
に関する現在のこと:モチベーション、人間関係、健康・プライベート
に関する未来のこと:スキルアップ、ビジネスキャリア、ライフキャリア

部下に「何も悩みや思いや話したいことも無い・・・」と言われることも導入初期はありがちです。そんな時は、上記テーマで困っていることや、相談したいこと、だけではなく、「最近取り組んでいること、懸念していること、質問したいこと、解決したいこと」というような聞き方で進めるといいでしょう。

③フィードバックを具体的にする

具体的なフィードバックをすることが重要です。フィードバックがあいまいだと、部下が改善点を見つけにくくなってしまいます。

④目標を共有する

1on1では、上司と部下で共有する目標を設定することが大切です。部下が自分の仕事にやりがいを感じるためにも、目標に向かって取り組みやすくなります。

1on1を進める際の注意点

1on1は進め方によって部下のモチベーションや成果の向上に繋がりますが、進め方を間違えば、逆に関係性を悪くしてしまうことにもなりかねません。では、1on1を進める際に気を付けて欲しいポイントについて解説します

時間を確保する

1on1は、上司と部下が1対1で会話する場です。会話に集中できるように、時間を確保しましょう。定期的に行う場合は、スケジュールをあらかじめ調整しておくことが望ましいですね。

オープンな雰囲気を作る

上司は、部下が自分の意見や悩みを話しやすいように、オープンな雰囲気を作るように心掛けましょう。具体的には、相手の話をじっくりと聞き、適切なフィードバックを返すことが大切です。また、上司が部下に対してのフィードバックをするときは、指導的なトーンで伝えると、部下が萎縮してしまうこともあるため、注意が必要です。1on1を通じ、部下が自ずと話す関係性を作っていくように心がけましょう。

まとめ

1on1で大切なことは、
「部下が話したいテーマ」はコントロールできないし、してはいけません。そして、「部下が話したいテーマ」は、プライベートな内容でも必ず否定せず傾聴し、かつ無理に答えを出したりする必要もありません。この1on1で部下の話しを聞くことで、部下からの信頼感が増し、フィードバックの効果もあがってきます。ですから、最初は辛抱強く、部下との関係性を築くことから始めましょう。