最近よく聞くカスタマーハラスメントってどんなもの?
最近では「〇〇ハラ」といっていろんなハラスメントが増えてきましたね。
「カスハラ」ってご存じですか?「カスタマーハラスメント」のことです。
厚生労働省のホームページによると、このような記載があります。
カスタマーハラスメントとは
令和元年6月に、労働施策総合推進法等が改正され、職場におけるパワーハラスメント防止のために雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となった。
この改正を踏まえ、令和2年1月に、「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示第5号)が策定され、顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)に関して、事業主は、相談に応じ、適切に対応するための体制の整備や被害者への配慮の取組を行うことが望ましい旨、また、被害を防止するための取組を行うことが有効である旨が定められた。引用:厚生労働省 「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」等を作成しました!より
つまり、顧客からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為ってわけです。
時々「俺は客だー」みたいにお店の店員さんに怒鳴っている人とかいますよね。
そんなにお客は偉いのか!って思っちゃいます。
お店(サービスを提供する側)の商品やサービスを買う、その変わりにお金を支払うことで成り立っているいわゆる売買契約で、どちらが偉いとかいったことではないのです。
なのに、時々お店の人に対し「お客に対してその態度は何だ!」みたいに過度な態度を示す人がいます。
もちろん、中にはサービス提供者側に失礼な態度をとる人がいたり、粗悪な商品を販売していたり、ってこともあるかもしれません。
だとしても、そこはそのことをきちんと説明すればいいわけで、ひどい暴言を行ったり、不当な要求をしていいかというと、それはなったく違います。
日本の過剰に顧客へのサービスをする傾向にあります。それで、従業員が疲弊しちゃってることもありますよね。
エピソードをご紹介:あるホテルでの出来事
私が好きな東京の日本を代表するホテルがありますが、そこでのエピソードを一つご紹介します。
ホテル側の手違いで、宿泊するお客様のお部屋(グレードが下がる部屋)を間違って予約していたことがありました。
受付の方は、丁寧にお詫びをし、代わりのお部屋(もともとのお客が予約していたグレードの部屋よりもいい部屋)を用意したにもかかわらず、その宿泊する客はその間違っていたことに対して延々と不満を言っていたのです。(恫喝気味の不満です。)
再三再四受付の方はお詫びをしますが、客は一向におさまる気配がありません。
そこでホテル側はどうしたか…では、もうお泊り頂かなくて結構です(もう十数年前のことなので正確な言葉は忘れてしまいました)、といったような言葉だったと記憶していますが毅然とした態度で対応されました。
誠心誠意対応して、それでも納得いかないんだったら、もういいですよ、ってことで、それ以上の対応はしませんでした。
私は、そのときホテル側の対応はもっともな対応だと思いました。
行き過ぎた対応には毅然と対応する勇気を持とう
確かに、ホテル側が間違ったことは事実です。
せっかく楽しみに来たのに、そんな間違いをしたことに不愉快な気持ちをさせられたことに不満を持つ気持ちも理解できます。
ただ、物事には限度というものがあり、また人って間違いを起こすものです。
その間違いに対し、誠実に対処している相手に対し、行き過ぎた態度をとるのはいかがなものかと思います。
そういったときに、企業としてはやはり従業員を守らなくてはいけません。
客の行き過ぎた要望に対して、最近では心が病んでしまう人も増えてきました。
そのため、「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」などが厚生労働省から作成されたってわけです。
「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」やリーフレットは、以下のリンクからダウンロードできます。
部下も上司のことに配慮が気出る組織を作ろう
そこで、最近私が思うことがあります。
よく、組織では上司に「部下への配慮」ってよく言われますね。
「部下が働きやすいように」「部下のことを考えて」もちろん必要です。でもそれって、上司だけがやることでしょうか?
パワーハラスメントもよく聞きますね。令和4年4月1日から、ハラスメント対策の事業主義務が中小企業にも義務化されます。
このパワーハラスメントが取りざたされるようになり、部下に指導をするときは相当な気を遣って指導・教育をしているのではないでしょうか?
もちろん、行き過ぎた指導や、暴力・人格を否定するような罵声はいけません。
上司と部下という関係の前に人と人ということにおいては平等です。
どちらが偉いということではなく、役割が違います。背負っている責任も違います。
ですから、上司が部下を役割の上で、企業目的を達成するために必要な指導や教育は必要です。
ですが!ここでです。部下も上司に対して思いやる気持ちがあってもいいのではないでしょうか。
上司だって役割として、立場として指導教育することに対し、必要以上に「パワハラだー」というのは、先ほどのお客と同じで、部下の立場をの濫用ではないでしょうか。
それでは、上司も疲弊しています。
最近では、昇進を辞退する人が増えてきているという記事を目にしました。
理由は昇進した時の給与などの待遇と、昇進後の業務内容と役割との割が合わないってことのようです。
昨今のこのハラスメント問題を聞くと、そのように昇進を辞退する人が増えてくるものわかるような気がします。
でも、それでは組織は成り立ちません。
部下が上司の立場を理解する、上司が言っていることは企業の目標を達成するため、顧客により質の高い商品やサービスを提供するため、というように理解して受け止められれば、組織はもっと強くなり、企業の成長に大きく寄与するんじゃないかと思います。
部下は、「上司が自分に求めていることは何なのか?」「組織の一員としてやるべきことは何なのか?」といったことを考えることも大切です。
そういった組織にするためには、企業理念への社員の共感と、企業文化を醸成する環境が必要と思います。
ここは、ぜひ経営者が本気になって、強い信念とリーダーシップで部下も上司の立場を考えることが出来る組織を作ってみませんか?