実践に役立つ!具体例で学ぶ「1on1ミーティング」の進め方ガイド

ヒップスターゲート社の「2018年度新入社員に関する意識調査」によると、新入社員が上司に望むことの1位は「親しみやすさ」(約35%)です。部下の気持ちや業務状況を把握することが難しくなっている中、多くの企業が1対1の面談「1on1ミーティング」を導入しています。上司と部下が直接対話する「1on1ミーティング」を定期的に行うことは、コミュニケーションの質を高め、組織の結束力を強化する重要な施策です。本記事では、効果的な1on1 ミーティングを取り入れたい方のために、具体的な進め方、注意すべきポイントなど、社員のパフォーマンスを高めるための具体的な方法をご紹介します。

 

はじめに 1on1ミーティングとは

1on1 ミーティングとは、そもそもどんな目的で実施するのでしょうか?まず、ここを押さえておきましょう。

上司と部下のための定期的な1対1の対話の時間です。

この面談は「部下の成績を上げるため」といった成果を追求する場ではなく、「部下のため」に設けるものです。話す内容はは、部下が相談したいことや、目の前の仕事に直接関係がないように思える「部下自身のこと」にも及びます。

そのため、上司は一方的に話すのではなく、部下の話に耳を傾けることが重要です。

「1on1ミーティング」の基本:場所・時間・頻度

1on1ミーティングを効果的に行うためには、環境やスケジュール設定が重要です。以下に基本的なポイントをまとめました。

場所

1on1ミーティングは、部下が安心して話せる環境で行うことが大切です。部下が自分の考えや悩みを自由に共有できるよう、以下のような場所を選びましょう。

  • 社内の会議室やラウンジ
  • 静かな近くのカフェ

プライバシーが確保でき、リラックスできる空間を意識してください。

時間

一般的に、1回のミーティングの所要時間は30~60分が目安です。時間が短すぎると十分な対話ができず、長すぎると集中力が途切れる可能性があるため、適度な時間配分を心がけましょう。

頻度

1on1ミーティングの頻度は、週1回や月1回など、部下のサポートニーズや業務レベルに応じて調整します。

  • 細かなサポートが必要な場合
    ミーティングの頻度を高く設定し、1回あたりの時間を短めにします。
  • 中長期的な振り返りが必要な場合
    月に1回程度、1時間ほどのミーティングを実施するのが適切です。

部下の成長段階や状況に合わせて、柔軟に頻度を見直しましょう。

部下の業務レベルに合わせて、細かなサポートが必要な場合は面談頻度を多くしましょう。頻度が多くなる場合は各面談は短時間で行い、月に1 回程度のときは 1 時間ほどの面談を行うようにしましょう。頻度や時間配分を部下に合わせて決めることで、1on1ミーティングがより効果的なコミュニケーションの場となります。部下が「話しやすい」「相談しやすい」と感じる環境作りを心がけてください。

1on1ミーティングの効果

1on1ミーティングは、上司と部下が定期的に直接向き合う時間を設けることで、以下のような効果をもたらします。

  • 唐突な退職を防止
    部下の悩みや不安を事前にキャッチできるため、「突然の退職」を防ぐことが可能です。
  • 部下を深く理解する
    個々の性格や価値観、キャリア志向を把握することで、適切な指導や支援がしやすくなります。
  • 目標達成の進捗やビジョン浸透度を確認
    部下が会社のビジョンや考え方を知ることができ、目標達成に向けてどの程度進んでいるかを確認できます。
  • モチベーション向上
    日頃の努力を上司から認めてもらえることで、部下のやる気が引き出されます。

1on1ミーティングを成功させる4つのポイント

1on1ミーティングを効果的に行うためには、以下のポイントを押さえましょう。

1. 部下の話に耳を傾ける

質問攻めにするのではなく、部下が自由に話せるような場を作ることが重要です。傾聴を意識しましょう。

2. フランクな雰囲気を作る

堅苦しい雰囲気ではなく、雑談を交えながらリラックスした空間を演出すると、部下も本音を話しやすくなります。

3. 部下に考えさせる機会を作る

すべてを上司が指示するのではなく、部下自身に考えを整理させる質問を投げかけましょう。

4. 前回の内容を踏まえる

毎回同じ話にならないように、前回話した内容を確認し、それを踏まえた上でミーティングを進めます。

「面談記録」に関する注意事項

1on1ミーティングでは、必ず記録を残すようにしましょう。以下の点に注意が必要です。

  • 記録は上司が担当
    部下の話を的確に残すため、上司が記録を行いましょう。
  • シートは厳重に管理
    個人情報が漏洩しないよう、面談シートは権限を持つ人だけが閲覧できる環境で保存します。
  • 記録は部署移動時にも役立つ
    部署や上司が変わった際に、スムーズな引継ぎを行えるよう、記録を活用しましょう。

1on1ミーティングの進め方

1on1ミーティングは、次の4つのステップで進行するとスムーズです。

1. アイスブレイクと体調確認(5分)

部下が話しやすい雰囲気を作るために、まずは軽い雑談からスタートしましょう。体調や業務量についても確認します。
例:

  • 「最近忙しそうだけど、体調大丈夫?」
  • 「業務量は多くない?」

2. 前回のおさらいと承認(10分)

前回のミーティングから部下が成長した点や成果を具体的に褒め、モチベーションを高めます。
例:

  • 「前回のミーティングで話した〇〇、よく実行できているね!」
  • 「この部分、かなり成長しているね!」

3. 今回の話題(15~20分)

この時間が1on1ミーティングのメインです。事前に評価面談シートなどを準備し、以下のテーマについて話し合いましょう。

  • 業務や組織の課題改善
  • 目標設定・評価
  • 能力開発やキャリア支援
  • 戦略や方針の共有

4. まとめと今後の行動確認(10分)

最後にミーティングの内容をまとめ、これからの具体的な行動を再確認します。
例:

  • 「今日話した内容を元に、次回までに〇〇を進めてみてください。」
  • 「〇〇について考えておいてくれると助かるよ。」

 

まとめ

「1on1ミーティング」は、上司と部下が定期的に向き合うことで、部下の悩みを事前にキャッチし、モチベーションを高める非常に有効な手段です。特に従業員50名以下の中小企業では、個々の成長が会社全体の成長に直結します。

定期的に1on1ミーティングを実施することで、部下のキャリア支援や目標達成をサポートするとともに、会社のビジョンへの共感を深めることができます。「びっくり退職」を防ぎ、チーム全体の力を高めるために、ぜひ今日から1on1ミーティングを取り入れてみてください。


1on1ミーティングを実践して組織力を向上させましょう!
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