マニュアルの真意をわかっている社員とわかっていない社員の違い

びっくりドンキーのスタッフの対応に賞賛

2021年1月16日未明に発表されたトンガ沖噴火に伴う津波警報・注意報を受け、ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」のスタッフが取った対応に、今、世間から賞賛されています。

どんな対応だったかというと、

ツイッターの投稿によれば、「完食してしまったのにも関わらず食事代金は本日要らないのでと避難指示を優先していました」ととのこと。

店で食事をしているときに津波による避難指示が出て、店員からは指示に従うよう呼びかけがあり、投稿者を含む複数の客は「代金は払う」と伝えたけど、「とにかく避難して下さい」などと断られた。

というものです。

びっくりドンキーの店舗運営マニュアルでは、緊急時の対応として

「生命の安全を最優先しましょう」

「避難指示が出た場合は臨時休業して避難しましょう」

と定めているとのことで、代金の扱いは記載されていないようです。

広報の方によると、「従業員さんがこのマニュアルの意味を本当に理解した結果の行動だと思っています」と仰っています。

ディズニーランドの震災時の対応

東日本大震災の際は、こんなことがありました。

ディズニーランドのスタッフは、その日帰れず園内で一夜を過ごすことになったお客様に対し、ディズニーランドの中にある食べ物を無償で提供した話しを聞きました。

また、ランドだけでは建物内にお客様を収容することは困難で、シーにへの移動が必要になりました。そのためには一度園外に出てもらう必要がありました。しかし、外は液状化していて危険、ではどうやって移動するか…。

それには、バックヤードを通ってもらうしかない。

ディズニーランドは「夢の国」。来園者に夢を与え、非日常を感じてもらう場所。バックヤードを見せるのはご法度でした。でも、ディズニーランドは、バックヤードを通って移動することを決断しました。

マニュアルは単なる暗記ではなく、真意を伝えることが大事

どちらも、その場の判断でお客様にとっての最良の判断をしています。

マニュアルは単に暗記するものではなく、「いざ」というとき、非常事態に活かされてこそ意味があるものだと思います。

マニュアルを守るためのマニュアルではなく、お飾りではなく、「なぜ」そういったマニュアルになっているのか、「なぜ」そのルールがあるのか、「なぜ」大事なのかをしっかりと従業員一人一人が理解してもらう必要があります。

「なぜ」をしっかり浸透させましょう。

マニュアルの真意が理解できていないと、いざというときに慌てて、上司に指示を仰ぎ、指示が無いとその場での判断が出来ずに、動けなくなってしまいます。

始めに書いたびっくりドンキーの事例でも、真意をわかっていなければ、お客様からに食事代を支払ってもらって避難するという行動をしていたかもしれません。

それで、何かしらの被害が出ていたら、おそらく上司は「そんな時はお代はいらないから、すぐに避難をしてもらうんだよ。何やってんだ!」って叱ったりします。

事が起こってからでは手遅れなのです。

しかし、こういった非常時での行動は一朝一夕にはできません。

日頃の指導・教育、上司のかかわり方や対応が大事です。

口先では、お客様を第一にとか言っておきながら、従業員がお客様の為ことに対し「売上優先」「利益優先」目線でダメ出ししたりしていませんか?

そういったことをしていては、今回のような緊急時には対応できません。日頃が大切なのです。

マニュアルひいてはその背景にある理念の意味や真意をしっかりと理解して一人一人まで浸透させましょう。

あなたの会社の従業員は、今回のようは避難指示が出たらびっくりドンキーのスタッフのような対応ができただろうか?

一度、じっくり考えてみるのもいい機会ですよ。