物事を多数決で決めて大丈夫?少数派の意見は間違いなのか?

物事を決めるとき多数決で決めていますか?

ビジネスでは、いろんな場面で決断や選択が必要になります。

・職場での服装のルール
・事業計画の決定
・社員旅行の行き先 など

企業の経営に影響を与えるものから、福利厚生に関することまで、重要度も様々です。

どちらを選んだほうがいいか悩むんだとき、多数決で決めることがあります。

そのほうが民主的で、公平だからと。

でも、本当にそうでしょうか?

多数決は民主的で、公平なのでしょうか?

高校の修学旅行の行き先

高校生のころ、修学旅行先を決定するときにこんなことがありました。

生徒からアンケートををとることになり、選択肢の中には東京方面と石川県を中心とした北陸方面がありました。

九州の地方の高校でしたから、やっぱり東京という都会に憧れ、東京方面を選択する生徒が多かったように記憶しています。

ですが、学年の担任の先生が、大人になったら東京に行く機会はある、でも北陸方面に行く機会はおそらく少ないと思う。だから、北陸に行っておいたほうが、後々行っててよかったなあ、ときっと思うから、と言って結局生徒の希望が多かったと東京ではなく、北陸に決まりました。

その時は、とても残念な気持ちになったことを思えています。

でも、今となっては、当時の先生がいった通りでした。

社会人になって、私はもう何度も東京に行っています。でも、北陸に行ったのは、修学旅行以来今のことろありません。

あの時、北陸に行って本当に良かったと思っています。その判断をしてくれた先生に感謝です。

高校生の判断と先生の判断の違いの理由

高校生と高校の先生とでは、人としての経験や社会経験が違います。

高校生のほうがやっぱり視野も狭いでしょうし、その時ある経験や感情等でで決めてしまいます。
でも先生は、自分も同じような経験をしたとか、社会経験からできる判断であり、決定であると思います。

結果、その判断をしてもらって私はよかったと思っています。

多数決で多かった東京を選択すること良かったとは限らなかったわけです。

選択する人の立ち位置や経験により判断は変わる

人は、どうしても自分に都合のいい選択や、自分のメリットになる選択をしがちです。

当たり前と言えば当たり前かもしれませんね。

例えば、店舗経営をしている企業で、お客様のニーズに応えるために、これまで平日ののみの営業から、土日も営業するようにして、勤務もシフト制に変えることを計画したとします。

この計画について、従業員に意見を聞くと、これまで土日休みだったのに、土日休みがなくなるいやだ、みたいな意見が出て、最終的に多数決をとったところ、これまで通りの営業を希望する従業員が多数を占めたため、これまで通り平日のみの営業になりました。

これって、従業員の意見を尊重したから正しいのかでしょうか?

そうとも言えませんね。

従業員は従業員の立場で物事を判断します。

お客様のことも大事だけど、やっぱり土日休みがいいって思うのも無理はないかもしれません。

でも、経営者の立場で物事を捉えると、これまでの営業方法を変えていくことも必要ですし、世の中の変化に対応していくことも必要です。

また、少数派の意見の中には、お客様が喜んでくれるのなら、土日営業して出勤になって構わない、と思った少数派の従業員もいたはずです。

多数決で決定するときに気を付けたいのは、必ずしも多数派の意見が正しいとは限らない。

また、重要な決定をするときに、必ずしも従業員の意見を聞くことがいいわけでもありません。

従業員から反対をされても、実行しなければいけない時もあります。

そんな時は、丁寧な説明と、以前のブログ『ストーリーを熱く語って社員をその気にさせよ!~北条政子の大演説から見るリーダーシップ~』で書いたようにストーリーを語ってその気にさせて、やりたいことを達成しましょう!