ルールを決めてもなかなか徹底しない、しょっちゅうルールを見直さないといけないことが起こってくる、どうしたらいいかといったお悩みを耳にします。
では、どうやったら規律を守る組織を作ることが出来るでしょうか?
ルールが多すぎる弊害
組織には就業規則に規定している服務規律以外に、従業員同士がお互い気持ちよく働くためのハウスルールといった細かいルールが存在します。
例えば、来客時の対応に関するルールや、電話対応についてのルール、書類の保存ルールやファイリングのルール、備品の仕様の仕方や保管方法などなど。
こうなると、もう多すぎて覚えるのが大変ですね。
そうすると、言われた通りにやるだけで、ルールの意味を知ろうともせず、ルールを覚えることが目的になってしまってことがあります。
これはもう「思考停止」ではないでしょうか?
では、なぜこんなにも細かなルールが必要になるのでしょうか?
自分で考えて行動出来ているか?
例えば、「コピー用紙が残り2冊になったら、備品購入担当者へ連絡をすること」といったルールがあるとします。
このルールが出きた背景は、コピーをしていたら用紙がなくなったので、補充しようと思ったら、予備のコピー用紙が無くて困った、ことがあったからできたルールです。
最後の1冊を開封して、コピー機の中に補充した人がいたはずです。
その人が、「あ、残りがなくなった。購入依頼をしておこう。そうしないと、後の人が困る。」と考えて注文をしておけば、このルールは出来なかったかもしれません。
また、来客がある場合は、事前にスリッパを並べておくこと、といったルールはお客様をお迎えするために決められたルールです。
お客様がいらっしゃってからスリッパを出すよりも、あらかじめスリッパを出しておくと、来社された方は歓迎されているといった感じを受けます。
ルールには、何か問題が発生したから同じことが起こらないように作るルール(マイナスから発生するルール)、無くても致命的な問題は発生しないがあるとより職場の環境やお客様にいい気持ちにするためのルール。(プラスになるルール)
先ほどの例では、コピー用紙のルールがマイナスから発生したルール。
来客時のルールはプラスになるルールです。
会社はいろんな考え方の人が集まる場であり、育った家庭環境も様々です。
ですから、ルールが全くない環境では、それぞれが自分の主観で行動してしまうので纏まりがなくなって、バラバラな組織が出来て、脆弱な組織になってしまいます。
先ほどの2例のような細かすぎるルールも窮屈ですし、ルールを守ることが目的になってしまいます。
では、どうすればいいのでしょうか?
大きな方向性・やってはいけないことを伝える
大きな方向性や、これだけはやってはいけない、といったことを伝えるようにします。
例えば、
- 社員同士が喜ぶことをする。自分がされて嫌なことはしない。
- お客様が喜ぶことをする。
といったことを決めます。
そうすると、一人一人が今の自分が行っている行動は、一緒に働く仲間が喜ぶことなのか?を考えて動くようになります。
お客様に喜んでもらうためには、どんな動きをすればいいのか、ということを考えて行動するようになります。
自分で考えて行動しますから、それはやらされ感のある受動的な行動ではなく、自ら能動的にとった行動ですから、やりがいも感じられるはずです。
そうすると、組織は強いものになります。
モグラたたきではないですが、何か発生したら、それをしないようにするルールを作る、また誰かがやってはいけないことをやったからまたルールを作る、ではもう大変です。
そもそもルールを作ろうとした原点に立ち返って、ルールの在り方を見直してみましょう。