適材適所を見極めて社員の強みを引き出そう!

  • 2022年1月14日
  • 2022年1月18日
  • 人事

プロの世界は厳しい!?

私は、プロ野球も好きですが、お相撲も好きです。

現在、今年最初の初場所が行われています。

私が応援しているのは、地元熊本出身の大関正代関です。

ですが、2020年9月に大関に昇進してからというもの、2桁勝利をしたのが1回しかなく、ちょっと元気がなく心配しています。

昨日の取り組みもベテラン玉鷲に圧倒されて負けてしまい、その後のインタビューで

「内容的によくない。立ち合いの圧力が伝えられていないのが気になるところ。このままだとモチベーション的にもきつい」

と弱気な発言をしていました。

元々ネガティブ力士と言われていて、ネガティブな発言が多い力士ですのでそれが正代関らしい発言と言えばそうなのですが、ちょっと相撲に元気がないのが気になります。場所前のインタビューでも、プレッシャーを感じているような発言でした。

大関というのは、横綱の次の地位ですので、お相撲をしている人であれば、目指すべき地位であり、憧れです。

大関になると、2場所連続して負け越すと大関を陥落する、いうルールがあります。(特例として、翌場所で10勝以上勝つとまた大関に戻れるっていうルールがあります。救済措置って感じでしょうか。)

また、大関にはそれなりの責任や成績が求められます。勝ち越せばいいというものではあります。(お相撲は一場所で15日間ありますので、8勝で勝ち越しです。)

それが、そっても負担になって、プレッシャーで毎場所、毎場所とてもシンドイのかな…、と昨日のインタビューを聞いて感じました。むしろ、大関でない地位で気楽にやったほうがもっとお相撲を楽しんで取れるのかな、と思いました。

「頑張れ」の声掛けは危険です。

今回のような正代関の発言を聞いて、「何言ってる。そんなんでどうする、何情けないことを言っているんだ。もっとしっかりしろ!頑張れ!」みたいな叱咤激励をする方がいらっしゃいます。

これって、本人を思ってのことでしょうし、せっかく「大関という地位を手にしたのに」という気持ちもあってのことでしょうが、この「頑張れ」って、時には本人にをとても苦しめることがあります。

周りにはそうは見えないかもしれませんが、本人なりに精一杯頑張っているのです。

また、頑張ったけど、頑張れなくなったからそんな弱気な発言が出てくるのです。

それを理解してあげて、本人が楽しんでやれる環境を作ってあげることもとてんも大切です。

ムリにその地位に留めようとせず、役職を外してあげよう

職場でも同じようなことがあります。

平社員の時は、イキイキと仕事をしていて、顧客や取引先にも評判がよく、また同僚にも慕われている、ということで昇進させて役付きにすることがありますよね。

でも、役付きになった途端、プレッシャーを感じ、これまでのその人の良さが出ず、表情もなんだか暗い、といった状況になることがあります。

人には、向き不向きがあります。

スポーツの世界でも、「良い選手が良い監督になるとは限らない」ってよく言いますよね。

平社員つまりプレーヤーとして優秀だった社員が、管理職になったからと言って、必ずしも優秀な管理職になるとは限りません。

性格や特性、発揮できる能力は、その発揮される場所とマッチして初めて発揮されるものなのです。

だから、せっかく昇進したのにもったいない

昇進させた上司が指導不足となるのは嫌だから自分のメンツのため

他の社員からどう思われるだろうか

などで、その地位に留めおくことは、その社員をもっと苦しめることになってしまうことになりかねません。

また、本人は限界と思っていても、上司に恩義を感じで何とかもう少し頑張ってみようと、無理をしがちです。

やってみたけどダメだった、みたいなことは本人もですし、昇進させた上司も何も恥じることは無いと私は思っています。

それよりも、その本人としっかりと話し合って、本人がイキイキと仕事をできる場所で、本人がプレーヤーに戻りたいということであれば戻るのもあるでしょう。

また、「降格」があっても、陰口や冷たい目で見るような組織ではなく、事情を理解し、温かく受け入れるような環境を作りましょう。

人生に失敗はつきものですし、人生何度だってやり直しは出来ます。

そんなやり直しが出来る環境を作るのも、「良いリーダー」には大事な役割ではないでしょうか。

 

正代関には、是非「大関」という地位は度外視して、好きで始めたお相撲ですから、入門当時の原点に戻って

本来の「相撲」を楽しんで取ってもらえることを願うばかりです。