「健康保険任意継続制度」とは?
会社に勤務していて、要件に該当すれば、協会けんぽや健康保険組合などの健康保険に加入します。
その会社を退職すれば、以下のいずれかの健康保険に加入することになります。
①任意継続健康保険
加入していた健康保険の保険者
②国民健康保険
③ご家族の健康保険(被扶養者)
この①の加入していた健康保険に加入できる制度のことを「健康保険任意継続制度」といいます。
「健康保険任意継続制度」に加入できる条件
条件は2つあります。
・資格喪失日までに健康保険の被保険者期間が継続して2ヵ月以上あること。 ・資格喪失日(退職日の翌日等)から20日(20日目が土日・祝日の場合は翌営業日)以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること。 |
資格喪失日(退職日の翌日です)に健康保険に加入していた期間が2か月に満たない場合は加入できません。
また、この条件を満たしていても、資格喪失日(退職日の翌日等)から20日を過ぎてしまえば、加入できません。
退職してから20日しかなので、あまり期限はありません。
退職することが決まったら、どの健康保険に加入するかは、早めに決めておいたほうがいいですね。
「健康保険任意継続制度」の手続き
「任意継続被保険者資格取得申出書」に必要事項をご記入して、住んでいる住所地を管轄する協会けんぽ支部に退職日の翌日から20日以内にご提出します。
「任意継続被保険者資格取得申出書」と一緒に、退職を確認する書類が必要です。
「退職証明書写し」、「雇用保険被保険者証離職票写し」、「健康保険被保険者資格喪失届写し」等です。
離職票は、会社が手続きして手元に届くまでに日数がかかるのでちょっと心配ですよね。
退職する前に、企業にお願いして「健康保険資格喪失証明書」という証明書を依頼しておくといいでしょう。
社会保険手続きをしている方でしたら、おそらくこの「健康保険資格喪失証明書」は知っていると思います。
これは、会社が健康保険の資格喪失をしたことを証明するこのですから、早ければ、退職日の翌日にでももらえるかもしれません。
早めに依頼をしておきましょう。
「健康保険任意継続制度」の資格喪失について
これまでこの任意継続の資格を喪失(任意継続制度を脱退)できる事由は、以下の内容でした。
1.任意継続被保険者となった日から2年を経過したとき。(被保険者証に表示されている予定年月日)
2.保険料を納付期日までに納付しなかったとき。(納付期日の翌日)
3.就職して、健康保険、船員保険、共済組合などの被保険者資格を取得したとき。(被保険者資格を取得した日)
4.後期高齢者医療の被保険者資格を取得したとき。 (被保険者資格を取得した日)
5.被保険者が死亡したとき。(死亡した日の翌日)
自分から、資格喪失を申し出ることが出来ませんでした。
それが令和4年1月から
任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を申し出たとき。(申出が受理された日の属する月の翌月1日)
が追加されて、任意脱退が出来るようになりました。
では、いつ付で任意継続の資格喪失になるのでしょうか?
資格喪失になる日は?保険料はいつまで?
任意脱退の申し出をしたら、実際にはいつ付で喪失になるのでしょうか?
申出が受理されると、翌月の1日が資格喪失日となります。
では、保険料はいつまで支払うのでしょうか?
任意継続被保険者は、一般の被保険者と異なり、「その月の10日(初めて納付するときは保険者が指定する日)」までに、保険料を納付することとなっています。
例えば、3月分は3月10日までに納付します。
この納付をした後、3月のどこかの日で任意脱退の申し出をして受理されたとします。
そうすると、喪失日は4月1日です。
喪失日の前月までの保険料納付が必要なので、3月10日に納付した3月分までで任意継続の保険料の納付はおしまいです。
申出月である3月に収めた保険料は返納されない、ということになります。
まとめ
これまでは、任意で脱退することが出来ませんでしたので、任意継続に加入するかどうかは、少し躊躇して悩んだりしてたかと思いますが、これからは、任意で脱退が出来るので、少しは気持ちも楽かもしれませんね。
ちなみに、先ほどの例でいうと、3月10日までに納付をしなかった場合、「保険料を納付期日までに納付しなかったとき。(納付期日の翌日)」という理由に該当して、資格喪失になってしまいます。
また、会社を退職して、失業している期間に国民健康保険に加入するか、任意継続に加入するかを迷う場合があると思います。
そのような時は、お住いの市町村の国民健康保険の窓口に電話などして、保険料がいくらくらいになるかを問い合わせて、任意継続の保険料と比較してみるのもいいですね。
任意継続の保険料は、勤務していた時は、企業が半分は支払っていましたから、およそ倍額と思ったらいいですね。
※ただし、退職時の標準報酬月額が30万円を超えていた場合は、標準報酬月額は30万円で計算します。(毎年見直しがありますので、この上限額は変更になる場合があります。この30万円は、このブログを投稿した時点のものとなります。)
万が一病気になったら費用負担が大きくなりますので、加入忘れがないようにしておきましょう。